高額買取される帯って、どんなもの?

豆知識

本ページでは、帯の買取についてリサーチしています。高価買取が実現する帯の特徴を紹介していますので、ぜひご一読ください。

高額買取される帯の特徴

親族の遺品などを整理している際、多くの着物に出合うことがあります。状態が良ければ高価買取の対象ともなりますので、捨てたりせずリユースへ繋がる選択肢を考えたいもの。また着物は装身具ですから、本体だけでなく数多くの付属品があります。その最たる例は、帯。帯にはいくつかの種類があるので、以下に紹介していきましょう。

  • 袋帯…帯の中でも格式が高く、礼装にも合わせられます。表と裏に2枚の別生地が縫い合わされており、袋状に仕上げられていることからこの名称が付きました。
  • 丸帯…袋帯より歴史が古く、礼装でも使用可能。幅広の生地を折り、芯を入れるかたちで仕上げられています。裏地に軽い生地を使うことも可能な袋帯に比べ、ずっしりとした重みがあります。
  • 名古屋帯…袋/丸帯に比べ長さが短め。着用しやすい分、礼装には合わせられません。
  • 半幅帯…袋/丸帯の半分の幅で作られており、カジュアルな着物や浴衣に合わせます。使用される生地によって高級品となる場合もあります。

上記のほかにも葬儀用の「黒喪帯」、男性用の「兵児帯」、「角帯」などがあるものの、残念ながらリユースの現場ではそれほど需要が高くありません。特に高額査定の対象となりやすいのは、袋帯や丸帯ということになるでしょう。それでは次に高額買取される帯の、そのほかの特徴を見ていきます。

有名なメーカーや呉服店の着物

帯の世界には、以下のような有名メーカーや呉服店があります。

川島織物、山口美術織物、河合美術織物、
となみ織物、服部織物、西村織物、やまと、鈴乃屋など

上記の中には帯専門のメーカーも含まれており、その専門的な技術や豪華な仕上がりには高い人気が集まります。「有名=老舗」であることが多く、中には200年近い歴史を持つメーカーも。有名メーカーや呉服店の帯には、独自の落款(らくせい)やタグが付けられています。

有名産地の帯

着物の世界では、産地により異なる生地や工法が綿々と受け継がれています。最も高名な京都から金沢、そして沖縄までと広範囲になっていますが、帯の場合は京都・博多(福岡)・桐生(群馬)が3大産地と考えられています。

有名産地の帯は、たとえ知名度が低いメーカーや職人の手による帯でも、伝統工芸品というだけで高く評価される場合があります。

  • 西陣織…産地は京都。先染めの糸や金銀糸を用いて織り出される美しく絢爛な文様が、高い人気を誇っています。
  • 博多織…細い経糸が多く用いられているため「締め心地が良く、緩まない」という特徴があり、古くは武士にも愛用されました。独特の縞模様が特徴的で、年代を問わず着用できます。
  • 桐生織…先染め織物の総称で、織り方は7種類とバリエーション豊富。色柄はさまざまですが、落ち着いた仕上がりが特徴です。
  • 米沢織…山形県米沢市の伝統工芸品。「しぼ」という名称の細かなしわが表出している特徴は、着物だけでなく帯にも共通しています。
  • 芭蕉布…沖縄や奄美大島などの伝統工芸品。「糸芭蕉」という植物の葉鞘から採取した繊維で、作られています。薄さと軽さが熱帯の気候に適しており、着物に合わせた帯があります。

有名産地の帯には、伝統工芸の組合が発行する証紙が付いています。売却の際にはセットで持ち込むと、高額査定へ繋がりやすくなるでしょう。

有名作家の帯

着物同様、帯の世界にも独自の染織で名を馳せた有名作家が存在しています。中でも人間国宝に指定された作家の帯は、売却の際も高額査定の対象となるでしょう。以下にその一例を紹介します。

喜多川平朗、喜多川俵二、小川善三郎、小川規三郎、北村武資、古賀フミ、
木村雨山、森口華弘、細見華岳、羽田登喜男、久保田一竹など

有名作家の帯には、そのサインとなる落款(らっかん)が入っています。このため帯を売る人が「どんな作者が作ったのかわからない」という場合でも、査定士がその価値を認めてくれるというケースは多くあります。

その他の条件

ここまでブランドや産地、そして作家といった特徴から高価買取される帯の条件を見てきました。しかしそれらを満たさなくても、査定で高く評価されるケースはあります。以下に見ていきましょう。

素材

着物の世界で素材そのものが高く評価されるのは、「正絹」。重いものほど、高価買取の対象です。近年はポリエステル素材などの帯が登場していますが、残念ながらほとんど値段が付きません。

織り方

帯の織り方には、先述の「有名産地の帯」以外にもさまざまな種類があります。

つづれ、経錦、緯錦、糸錦、佐賀錦、唐織、絽織、
朱珍、塩瀬、金襴、ちりめん、紗織、羅織など

これらの織り方は、産地を限定せずさまざまな場所で採用されていることがあります。たとえ無名メーカーや職人の手による帯でも、織り方によって高く評価される場合があります。

状態

帯に限った話ではありませんが、保存状態の良い中古品は高価買取の対象となります。汚れや虫食い、そしてカビなどが生えていないか、売却前に確認を。また長期保管の間に傷んでしまうことも考えられるので、帯を売ることを決めたら、なるべく早めに実行へ移してください。

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