茶道具の花形・茶碗の高価買取について

買取について

本ページでは、茶道具のひとつである茶碗の買取についてリサーチしています。高価買取が実現する茶碗の特徴を紹介していますので、ぜひご一読ください。

高額買取される茶碗の特徴

奈良時代に中国から伝わった茶道は、戦国時代に伝説の茶人・千利休によって高められ、一時は政治の世界と密接に関わるほど重要視されました。その様式の中で用いられる茶碗は、茶道具の花形。千利休の時代においても、庶民の手には決して届かない高値で取引されていたようです。このため骨董品として現存する茶碗には、数千万円の値が付くものも。もし遺品整理などの際に古い茶碗を発見したら、簡単に破棄せず売却を検討して下さい。意外な高値で買取される可能性は、充分にあります。それでは以下に、高額買取される茶碗の特徴を見ていきましょう。

100年以上の時を経たアンティーク茶碗

茶道には長い歴史がありますが、茶碗は茶道具として常に存在してきました。もし100年以上の時を経てなお、現存している茶碗であれば、骨董品として高い価値を持っている可能性があります。一例を挙げると、12~13世紀ごろに中国の福建省から渡来した「耀変天目茶碗」は最高峰の逸品と考えられており、日本国内にある4点は国宝または重要文化財に指定されています。もし新たに発見されれば、数千万円の値が付くことは間違いなし。こうした名品が蚤の市などで投げ売りされ、のちに価値が判明したというケースも実在しているのだから、夢がありますね。

高名な作家の茶碗

「茶道の世界で高名な作家が手掛けた茶碗」は、高価買取対象のわかりやすい事例と言えます。

  • 楽吉左衛門…戦国時代から続く茶碗師の名称で、現在まで15代以上続いています。
  • 永楽家…室町時代から続く茶碗師の名称。やはり現在まで15代以上続いています。
  • 松井康成…「練上手」と呼ばれる技法で人間国宝に認定された陶芸家。2003年に他界。
  • 北大路魯山人…陶芸のみならず、画家や書道家、そして料理人など多様な顔を持つ文化人。
  • 川喜多半泥子…大阪出身で「西の魯山人」と呼ばれました。陶芸家のみならず、実業家としての顔も持っています。
  • 加藤唐九郎…家業の製陶に幼い頃から親しみ、戦後は個性豊かな現代陶芸の道を進みました。
  • 清水卯一…京都出身の陶芸家で、1985年に人間国宝に認定されました。2004年に他界。

上記はほんの一例で、高名な陶芸(茶碗)作家は数多くいます。有名作家の茶碗には、そのサインとなる落款(らっかん)が入っているもの。もし売る人が「どんな作者が作ったのかわからない」という場合でも、査定士が見つけ出し、価値を認めてくれる場合があります。

有名産地や技法の茶碗

茶碗の世界ではいくつかの技法が受け継がれているため、それぞれに異なる仕上がりや風合いを楽しむことができます。例え無名作家の手による茶碗でも、有名産地の伝統工芸品というだけで高く評価されるケースもあります。

  • 荻焼…山口県萩市が産地で、300年以上続く長い歴史あり。絵付けのない簡素な佇まいですが、吸水性のある土台へ茶が浸透することで変化していく風合いが、珍重されます。
  • 楽焼…手ごねで成形し、低温で焼き上げる陶器。400年以上続く歴史があります。その立役者は千利休。釉薬の色により異なる「黒楽」と「赤楽」の二種類があります。
  • 唐津焼…佐賀県の唐津市周辺が産地で、その起源は朝鮮の陶工たちの技術にあると言われます。「絵唐津」、「朝鮮唐津」そして「斑唐津」などいくつかのバリエーションがあります。
  • 大桶焼…石川県金沢市の伝統工芸品の一つで、楽焼の技法が独自の発展を遂げています。飴色の釉が生む温かな質感が特徴的です。
  • 九谷焼…こちらも石川県が産地で、江戸時代に誕生しました。色鮮やかな色彩と華麗な絵付けが特徴的です。
  • 美濃焼…岐阜県や愛知県エリアにルーツがある焼き物の総称で、乳白色が特徴的な「志野焼」、造形が革新的な「織部焼」、黄金色の釉が美しい「黄瀬戸焼」などが含まれます。
  • 舶来の技法…天目茶碗や青磁など中国伝来、そして井戸茶碗や三島茶碗など朝鮮伝来の技法およびその茶碗があります。特に井戸茶碗は「一井戸、二楽、三唐津」と呼ばれるほど高く評価されます。

有名産地の茶碗には、伝統工芸の組合が発行する証紙が付帯されていることがあります。売却の際にはセットで持ち込むと、高額査定へ繋がりやすくなるでしょう。

知っておきたい茶碗高価買取のコツ

最後に、茶碗を売却する際、査定額を少しでもアップさせるためのコツを紹介しましょう。

素人は無理に補修すべきでない

古い茶碗は素人の補修や研磨で、却って傷ついてしまう心配があります。汚れや欠けなどがあったとしても無理に手をかけず、そのまま持ち込むようにしてください。また押し入れや倉庫など、埃が多く湿気も気になる場所で保管されていた場合は、すぐ良好な環境に移してから売却の準備を進めてください。

付属品を揃える

茶碗は仕覆(しふく)という袋に入れられたうえで、共箱(ともばこ)へ納められ、所有者の手に渡ります。また有名な作家の茶碗である場合、保証書や鑑定書が付帯されていることもあります。こちらがすべて揃っているか否かで、査定額に数万円の差が付くことも。本体と付属品が別々に保存されている可能性はないか、よく調べておきましょう。

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