本ページでは、生前整理のメリット・デメリットや、そのやり方を紹介しています。「始めようとは思っているけど、なかなかやる気が出ない…」という方は、ぜひ内容をご確認ください。
生前整理とは？気になるそのデメリットを調査
近年、一般的になってきた生前整理。簡単にまとめると「自分自身が元気なうちに、身辺の整理を始めておくこと」を指します。生前整理を行わないまま亡くなった人の親族は、「遺品整理」という名の後処理に煩わされることになります。
しかしいくら親族でも、貴重品や金庫の鍵の場所まではわかりません。また売却すれば高価買取の対象となる品々を、価値も確かめないままに処分してしまうのは、何とも残念。このような観点から、生前整理の意義が広く理解されるようになったのです。特に「サステナブル」という概念が浸透している若い世代の間には、40～50代から生前整理を始める人たちも増加中です。
とは言え「なかなか手が付けられない」、「始めてはみたけど、進まない」という感想を持つ人は、意外に多い様子。以下のような問題が浮上して作業が滞るのは、生前整理のデメリットと言えるかもしれません。
疲れる、飽きる…
いざ生前整理を始めると、その膨大な作業量に呆然とすることがあります。特に使わなくなった家具や家電などの処分は、重労働。「持ち上げたら腰を痛めた」など、健康上の問題が併発するケースも考えられます。不法投棄はもちろんご法度ですが、かさばる荷物の整理ほど自治体を通じての手続きが煩雑となり、費用も徴収されます。こうした工程を経るうち「面倒」という感情が先立つようになってしまうのです。
ノスタルジアに浸る
身辺の品々は、人生の節目に寄り添いながら増加の一途を辿ってきました。このためいざ作業を始めても「懐かしい！」、「やっぱり捨てられない…」など思い出に浸るだけの時間が過ぎ、整理が一向に進まないというケースは多いようです。
複雑な作業にうんざりする
遺言や財産目録の作成も、生前整理の重要な項目のひとつです。こちらの作業に体力は必要ないものの、いざ手を付け始めると「体裁はどのように整えるべき？」という疑問が頭をもたげます。ビジネスでも書類をまとめるのが苦手という人は「もっと年を取ってからでいいや！」と作業を投げ出したくなるようです。
生前整理でやること、その進め方
それではここで、生前整理の代表的な作業例と、その進め方を改めて見ていきましょう。
家財の片づけ
家族構成や嗜好の変化を経て不要になった家財を、整理します。家具や家電の収納は場所を取りますので、処分を進めれば生活が快適になるでしょう。
貴重品の整理や売却
現金や通帳／キャッシュカード、株券、そして貴金属などをバラバラに保管しておくと、後で発見できない物が出てくるので、多くても数ヶ所程度にまとめます。
書類の整理
保険や税金、そして年金などに関わる書類、また契約書や権利書などは名目がわかるように仕分けし、ファイルなどを活用して整然と保管します。
遺言書・財産目録の作成
遺言には「自筆証書」と「公正証書」の2種類があるなど複雑ですが、財産目録と共に法的な効力を持ちますので、致し方ありません。書店やインターネットでは、その正しい書き方をまとめた情報が販売されています。また普段から士業の人と付き合いがあるという方は、彼らの助言や協力を仰ぎながら、地道に作成へ取り組みましょう。
エンディングノートの作成
「自分の死後、これだけはやって欲しい」、「葬儀はこんなかたちでお願いしたい」など、遺言に比べればざっくばらんな内容、希望をまとめておきます。
また近年は、インターネット上のIDやパスワードを遺族が発見できず、不便が生じるというケースも目立ちます。定期購入などの商取引解約や、メールアドレスなど連絡ツールの確認が必要になる状況を想定し、詳細情報を記載しておきます。
早めに始めて良かった…、生前整理のメリット
生前整理の内容や、そのデメリットを見てきました。最後に生前整理のメリットを紹介しましょう。
遺族の負担が減る
生前整理の主な目的は「自分の死後、家族の負担を軽減する」ことに尽きます。また遺産や故人の遺志をめぐって発生する「遺族間のトラブル」を、未然に防ぐ手段としても機能してくれるでしょう。
老後資金の足しになる
衣服や装飾品、骨董品、そして書籍やアウトドアグッズなど、趣味嗜好を満たすために購入してきた品々を見直し、要／不要を判断し「お片付け」をする。アイテムの価値を正確に理解している本人が売却すれば、現在の生活や老後資金も豊かになっていきます。
生きがいのひとつになる
生前整理は「人生を振り返る」という作業にほかなりません。一気に片付けてしまおうとすると抵抗やストレスを感じますが、「疲れたらしばらく休む」などマイペースに、ゆっくりと時間をかけながら進めていくことで、楽しい習慣のひとつに変わります。
また遺言作成や不用品処分など面倒な作業をやり遂げる過程で「自分自身の社会性が、新たに高まった」という実感も得られるはず。生前整理はあなたの老後をシンプルに、快適にしてくれるのです。ぜひ今日から「スロー生前整理」をスタートさせていきましょう。
