あなたの知らないアンティーク・オルゴールの値打ち

豆知識

本ページでは、アンティーク・オルゴールの価値について調べています。人気の高いメーカーの商品情報や、高額査定のポイントについても紹介します。

作り方は?オルゴールの基本についておさらい

ネジを回すだけで、心和むヒーリング効果の高い音色を奏でてくれるオルゴール。語源は「Orgel(オルゲル)」というドイツ/オランダ語で、オルガンを意味するのだとか。英語圏ではもっと単純に「Music Box」と呼ばれます。

その誕生は18世紀初頭にまで遡るというのだから、驚き。オルゴールは蓄音機すらなかった時代から、家庭で手軽に音楽を楽しむ方法のひとつとして、愛されてきたのです。

オルゴールの作り方は、主に2つに大別されます。ひとつめはスイスで発明されたシリンダータイプ。「円筒」を意味するシリンダーはぜんまいの力で回転しますが、あらかじめシリンダーの表面に埋め込まれたピンが振動板の弁を弾くことで、メロディが奏でられる仕組みとなっています。

もうひとつはディスクタイプ。「円筒」の代わりに「円盤(=ディスク)」を採用した方式で、あらかじめディスク表面に埋め込まれた突起が振動版の弁を弾くことで、メロディが奏でられる仕組みとなっています。

ディスクタイプは、ディスク交換を可能としたため幅広く普及しました。しかしシリンダータイプがなくなったわけではありません。進化を続けながら、現在も生産されているのです。またいずれのタイプにも共通する振動板の弁の数が多いほど、複雑で美しい音色が実現されます。

世の中には数えきれないほどのオルゴールが出回っていますが、専門メーカーの一級品は、いつの時代も職人たちの細かな作業によって生み出されてきました。シリンダーやディスク表面の1000本~数万本にも及ぶピンは、1ミリ以下の細かい精度で埋め込まれているというのだから、すごいですね。

また内部の機構を覆う装飾に、さまざまな工夫が凝らされてきた歴史もあります。アンティーク・オルゴールは耳だけでなく、目でも楽しめる美術品のひとつと言えるでしょう。

人気の高いアンティーク・オルゴールを紹介

オルゴールの世界には、長い伝統と確かな意匠で定評のある専門メーカーが存在しています。アンティークとして高値で取引されるのは、主に一流メーカーのプロダクト。その代表例を、以下に見ていきましょう。

リュージュ社

スイスの老舗で、150年以上に渡り、精密な手作業でオルゴールを作り続けてきた歴史あり。
新品は安くても一台数万円と、宝飾品並みの高値。季節限定商品や、オルゴール機能付きの装飾品なども積極的に生み出しており、コレクターから熱い注目を集めています。

サンキョー(sankyo)

1940年代からオルゴール作りに邁進してきた、国産メーカー。国内でムーブメントの設計から組立・調整までの一貫生産体制を整えているのは、サンキョーだけです。
内部の振動板が30弁以上の高級品は「オルフェウス」と名付けられ、中古市場でも人気が高くなっています。

レジーナ

ドイツのオルゴールメーカー・ポリフォン社がアメリカに設立したメーカー。
1893年から30年の間に、アメリカの巨大な市場で旺盛を極め、やがて衰退しました。同社のディスクタイプオルゴールは、100年以上の時を経た今も、日本の中古市場で人気。品質の確かさを裏付けるような事実です。

トーレンス

こちらも19世紀にスイスで創業された老舗でしたが、1985年、リュージュ社に吸収されるかたちで生産を終了しました。
同社オルゴールのディスクは、レコードを模したポップなデザインが特徴的。その音色の美しさも相俟って、世界中で高い人気を誇りました。生産終了からまだ50年も経過していないので、中古市場での取引も活発です。

オルゴール高額査定のポイント

親族の遺品を整理していたら、古いオルゴールが出てきた…、もしかするとその逸品は、高額買取の対象かもしれません。ではアンティーク・オルゴールの高額査定ポイントは?以下に見ていきましょう。

一流メーカーの商品である

オルゴールの世界にはノンブランドの安価品から、専門メーカーの一級品までが混在しています。著名メーカーの製品であれば、買い求めるコレクターの数も多いので、高額買取の対象となるでしょう。
先述のメーカーのほかにもポリフォン社、シンフォニン社、カリオペ社(いずれもドイツ)、メルモドフレール社(スイス)、ポーター社(アメリカ)などの製品は、一流メーカーとして認知されています。まずは手元の製品の、メーカー名を調べましょう。

状態が良好である

アンティーク・オルゴールに付きまとうのは、経年劣化です。いくら一流メーカーの製品でも、状態の良し悪しによって、買取価格に変動が生じてしまいます。
ただし、劣化を差し引いても充分な買取価格が提示されるケースは多くなっています。「そのうちに売ろうと放置していたら、音が出なくなった」、「一部の部品が壊れているが、換えパーツの生産が終了してしまった」などの事態を招いてしまう前に、早めの売却を検討すると良いでしょう。

付属品は揃っているか

高値で販売される一流メーカー製品の、贋作が出回っています。正規品であることを証明可能な付属品や保証書があれば、売却の際も安心。商品と一緒に保管されていなかった場合でも、別の場所に残されていないか、ひと通りチェックしてみてください。

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