本ページでは、着物の買取についてリサーチしています。高価買取が実現する着物の特徴を紹介していますので、ぜひご一読ください。
高額買取される着物の特徴
日本の伝統的な衣服である着物は、その長い歴史の中で海外から注目され、再三に渡りモードの世界へ取り入れられたことがあります。こうした理由から着物の魅力に目覚め、「積極的に着用したい」と考える若い世代の人々が増加中。大都市で開催される中古の着物市が、大きな盛り上がりを見せるという現象も生まれています。
とは言え、現代の日本は洋装が中心。「着物を目の前にしても、どう着用すればいいのかわからない…」という人も数多くいます。親族が亡くなった際、まとまった量が遺品として残されても「いらない着物」として処分を検討するしかないのです。
このように現在の日本では、着物の需要供給バランスが整っています。もしあなたが多くの着物の処分を検討しているのであれば、買取への持ち込みを検討してみましょう。古い着物の山の中に、逸品が含まれているかもしれません。それでは以下に、高額買取される着物の特徴を見ていきます。
有名ブランドや呉服店の着物
着物の世界には、以下のような著名ブランドや呉服店があります。
千總、川島織物、大羊居、竺仙、
ゑり善、銀座越後屋、志ま亀、銀座きしや、
大彦、尾峨佐染繍、久保耕、窪田織物、三勝、
翠山工房、龍村美術織物など
「有名=老舗」であることが多く、中には室町時代から続く歴史を持つブランド/呉服店も。また近年は「桂由美」や「Kansai」などデザイナーズ・ブランドの着物や、有名人がプロデュースした着物も、人気です。
有名ブランドや呉服店の着物には、独自の落款(らくせい)やタグが付けられているので、すぐ見分けることができるでしょう。
有名産地の着物
着物の世界では、産地により異なる生地や工法が綿々と受け継がれており、それぞれに異なる仕上がりや風合いが珍重される傾向があります。例え無名の職人たちによって紡がれた着物でも、有名産地の逸品というだけで、高く評価されると知っておきましょう。以下はその一例です。
- 西陣織…産地は京都。先染めの糸を用いて織り出される、美しく絢爛な文様が人気です。
- 加賀友禅…産地は石川県金沢市。「加賀五彩」と呼ばれる模様に特徴があります。
- 大島紬…産地は奄美大島。軽く丈夫な作りで、何世代にも渡り受け継がれます。
- 結城紬…産地は茨城~栃木県などの北関東。縦/横糸の両方に手つむぎ糸を使用しています。
- 小千谷紬…産地は新潟県。光沢と肌触りの良さ、そして独特な絣模様が特徴的です。
- 牛首紬…産地は石川県白山市。玉繭の糸を紡ぐのが特徴で、柔らかな風合いと高い耐久性を実現。
- 琉球紅型…産地は沖縄県。琉球王国の伝統を受け継ぐ、本土の織物とは趣の異なる模様が特徴です。
有名産地の着物には、伝統工芸の組合が発行する証紙が付いています。売却の際にはセットで持ち込むと、高額査定へ繋がりやすくなるでしょう。
有名作家の着物
着物の世界には、独自の染織で名を馳せた有名作家が存在しています。中には人間国宝に指定される天才も。彼らの着物は「アーティストの作品」として評価されており、売却の際も高額査定の対象。以下にその一例を紹介します。
上野為二(友禅)、松原定吉(長板中形)、木村雨山(友禅)、羽田登喜男(友禅)、
清水幸太郎(長板中形)、玉那覇有公(紅型)、志村ふくみ(紬織)、
森口邦彦(友禅)、小宮康助(江戸小紋)、南部芳松(伊勢型紙・突彫)
松井青々(友禅)、芹沢銈介(型絵染)、佐々木苑子(紬織)など
無名でも高価買取の対象となる着物とは
ここまでブランドや産地、そして作家といった特徴から高価買取される着物の条件を見てきました。しかしそれらを満たさなくても、買取査定の現場で高く評価されるケースはあります。以下に見ていきましょう。
素材
着物は長い歴史の中で、さまざまな素材によって作られてきました。素材そのものが高く評価されるのは、高級な「正絹」。重いものほど、高価買取の対象です。また風通しの良い麻の着物は、暑い季節に重宝されます。「高級麻織物」も同様に、高価買取の対象となるでしょう。
丈や大きさ
中古の着物は、購入者によって仕立て直しされるケースが多くなっています。近年は着物の全盛期に比べ、日本人の体位が向上中。全体的にサイズが小さな着物より、丈が長く大きめの着物は仕立て直しやすいため、査定額もアップするでしょう。
柄、デザインや技法
大正時代から戦前の昭和に作られた着物は、どこか洋風で、独特の趣があるデザインや技法が特徴的。「アンティーク着物」として価値を見出す人も多く、ノンブランドでも高価買取の対象となることがあります。また植物など季節感を演出できる柄、動物や髑髏といった奇抜な柄の着物にも一定の需要が見込めるため、査定額アップにつながりやすくなります。
状態
着物に限った話ではありませんが、保存状態の良い中古品は高価買取の対象になります。着物の場合はシミや虫食い、そしてカビなどが生えていないかを、事前にチェックしておきましょう。